ChatGPTも活用!ルビ問題を解決しよう

総ルビドキュメント

児童書や教科書、もしくは場合によっては広報誌などでも、制作したことがある人は、本文の漢字にすべてふりがなをつけなければならない「総ルビ」のドキュメントに苦労したことがあるかと思います。また、総ルビでなくても、ルビの数が多いドキュメントだと、それなりに手がかかったのではないでしょうか?

おさらい、InDesignのルビ振り

Indesignでルビを振るには、まず、親文字を選択しておいて、文字パレット>ルビ とメニューを辿って(もしくはcommand+option+R windowsはctl+alt+R)で「ルビの位置と間隔」のウインドウを出し、ルビ文字を入れて設定します。

 数箇所程度であれば、これで全く問題はないのですが、総ルビやルビの箇所が多い場合はなかなかの手数になり、大変です。省力化したり、一括で処理する方法はないのでしょうか?」

 

解決方法

●市販のエクステンション等を購入する。

 エクステンションを追加購入することで、一括のルビ振り等が簡単になります。辞書を内蔵しているものが多く、自動的にルビ文字を判読してルビを振ってくれるものが一般的です。頻繁に大量のルビ振りをしなければ案件を抱えている人は選択肢として検討してもいいでしょう。

□るびこ

□ルビフィクサー

●MicrosoftWordのルビ機能をつかう

 Wordには標準でルビを振る機能があり。InDesignにWordファイル(.doc)を直接読み込むとふりがなをそのまま引き継ぐことができます。Wordを持っている人はローコストで導入できます。ただし、Word標準の機能でもやはり一単語ごとしかルビを振ることができません。とはいえ、辞書機能があり、自動的に判別してルビがつきますので、自分で毎回入力するよりは若干楽です。あまり分量がない場合や、単発的な案件であれば、Wordでルビつけをするのもいいでしょう。

 また、Wordであればライターや編集者でも扱いなれているので、テキストデータを発注する際にあらかじめルビ付きの原稿を依頼できるメリットもあります。

 また、Wordのマクロを拡張すれば、ルビを一括で振ることもできます。Wordのマクロを研究してみるのもいいでしょう。

●タグ付きテキスト

 InDesignにタグ付きテキストを読み込む方法、あらかじめInDesignが読み込めるタグ付きテキストを用意して、InDesignに読み込めば、自動的にルビ付きにすることができます。タグ付きテキストを用意するのが難しいですが、ChatGPTを利用すれば、あまり知識がなくてもルビを自動化できます。

●必ずテキストはShift_JISで保存する
.txtファイル
●ChatGPTとはいえ、完璧ではないので、一回でうまくいかない場合は何度かやりとりして完成させる。

 

●タグ付きテキストとスクリプトを使う

 タグ付きテキストはIndesignのルールに沿った書式が必要で、ルビ作成以外にもさまざまな文字装飾も可能です。その反面、記述の正確さが求められるので、ChatGPTを使ったとしても、少しハードルが高いです。

 そこで、ルビを付けるということに限定して、テキストを流し込んだあと、スクリプトで処理するということにすると、タグ自体は非常に簡単にすることができます。スクリプトを使用して2ステップ化することで、かえってルビつけが簡単になります。

ルールは自分で決めて構いませんが、今回は簡単で一番分かりやすく。

(ルビ)親文字

という形で、親文字の前に()でルビ文字を入れる形にしたいと思います。

 

例文)

今日は家族全員で隣町のレストランに行って、焼き肉の食べ放題を食べました。弟も喜んでいつもより沢山食べました。

                   

今日は(かぞく)家族(ぜんいん)全員(となりまち)隣町のレストランに行って、(や)焼き(にく)肉の(た)食べ(ほうだい)放題を(た)食べました。(おとうと)弟も(よろこ)喜んでいつもより(たくさん)沢山(た)食べました。


この形だとタグという難しさはなく、()で読みがなをいれるだけなので簡単です。

数が少なければ手作業で入れてもいいですが、一括自動化するのであればChatGPTに任せるとさらに簡単です。

テキストができたら、これを処理するスクリプトを書きます。これも、スクリプトの知識が全くなくてもChatGPTで作成できます。

スクリプトを実行すると、ルビが自動でつきます。

※スクリプトの作成から実行までのやり方は
 Indesignプラス編~ChatGPT活用! スクリプトで時短しよう~ を参照

方法長所短所
市販エクステンションルビに特化した機能とサポート
辞書を内蔵している
有料、初期投資が必要
WordファイルWordファイルを読み込むだけWordが扱える人ならライター、編集者でも作業可マクロを使用しないと
ルビ付けは一単語ごと
タグ付きテキスト読み込みInDesignに読み込むだけで作業完了タグ付きテキストの作成が難しい
タグ付きテキストとスクリプトタグ付きテキストの自由度が高いので、スキルが高くなくても導入しやすい。タグ付きテキストとスクリプトを両方用意しなければならない
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