InDesignの生成AI

画像の生成AI機能がInDesignにも追加

Adobeの生成AIが誕生して、Photoshop、Illustratorに搭載されてきましたが、InDesignにも2025年バージョンから画像の生成AI機能が追加されました。Photoshop、Illustratorで生成AIを使ったことがある人であれば、使い方はあまり難しくないですが、InDesignならではの特性、注意点(2025年現在)を見ていきます。

テキストから画像生成

生成AI機能が搭載されたことで、極端に言えば、配置画像を用意する必要がなくなりました。使い方は特に難しいところはなく、画像ボックスを作成したら、

「ファイル」メニュー>「テキストから画像生成

または「ウインドウ」メニューから「テキストから画像生成」を選ぶとパレットが開きます。
コンテキストタスクバーが表示されている場合は、そちらにテキストを入力する方法もあります。

指示に対して3つのバリエーションが生成されます。気にいらない場合は「生成」ボタンを押すとさらに追加のバリエーションが出てきます。あとは気に入った画像をクリックすれば画像ボックスに挿入されます。

 

生成拡張

InDesignでデザインしていて、背景が少し足りない、写真がもう少し大きければいいのにと思ったことがあると思います。Photoshopで背景を伸ばすことも、現在生成AIがあるので簡単になりましたが、2025からは、InDesignだけで写真の目伸ばしができるようになりました。

写真の配置されている画像ボックスを必要なだけ伸ばします。コンテキストタスクバーを見ると「生成拡張」となっているのがわかります。

あとはボタンを押すと、画像の不足分が生成拡張されます。

注意しなければならない点

●生成される画像はRGBの.jpg画像

生成拡張されるのはjpeg画像のみです。psdファイル等は生成拡張されません。また、RGB以外のカラーモードの画像を生成拡張した場合は、RGBに変換されます。(元のファイルとは別のファイルに変換されて配置されます)

生成拡張された画像をPhotoshopで開いて確認してみましょう。画像のカラーモードはRGBになっています。また画像のフォーマットはjpegになっています。

InDesignは印刷物の作成だけではなく、e-pubやその他の媒体の作成も可能なので、一概にCMYKでなければとはいえませんが、印刷物の作成ということに絞ると、カラーモードをCMYKに変更しなければなりません。またファイルフォーマットも.psdか.eps等に変更する必要があります。

●CMYK-psdで入稿するとすれば

印刷物の入稿は一般的にはCMYKでpsd(もしくはepsやtiff)の画像ファイルで入稿するのが一般的です。入稿前に画像を変換する必要があります。CMYK変換ののちpsdで保存しなおしたら、リンクパレットで再リンクします。

もしくは画像ファイルが多い場合は、一回ファイル収集をしたのちに、Photoshopのバッチ機能を使って一括変換して再リンクしたほうが早い場合もあります。

※Photoshopのバッチ機能に関してはこちらを参照

 

●pdf入稿ならば大丈夫

印刷データをInDesignの元データではなく、pdfで入稿する機会も増えてきたかと思います。pdf入稿であれば、書き出し時にCMYKに変換することができるので、画像のフォーマット等に気を使う必要はありません。(設定に関しては印刷所の指示に従ってください)

PDFの分版確認はAcrobatProで確認できます。

●画像ファイルの場所に注意、不要画像も溜まっていく

画像生成で生成された画像は、
「書類」フォルダに>「InDesign 生成 AI アセット」というフォルダが作成され、その中に生成されます。

生成AIで作成された画像はすべてここに置かれますので、案件ごとにフォルダを作成して画像管理をしている場合は、一度ファイル収集をかけて、必要な画像を一ヶ所にまとめておく必要があります。

また、一回の生成で3つづつバリエーションが生成されますが、採用しなかった画像もここに残ります。(Indesign上でバリエーションを削除しても消去されないようです)

したがって、HDの容量を徐々に圧迫していく可能性がありますので、HDの残り容量の管理が必要になってくることもあるので注意しまししょう。

 

まとめ

InDesignにもAI機能が追加されてさらに便利になりましたが、使用するシチュエーションを考えると、印刷所等の出力側との連絡が必要な場合があります。特性をよく理解して使用しないと入稿時のトラブルにもつながりますので、注意が必要です。

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