漫然と修正しない
製作の中で、当然ながら修正作業もつきものです。また、修正のみの案件もありますが。 意外と漫然と手直ししている人も多いようです。 修正作業も、少し工夫するだけで効率化がはかれる場合があり、時短にもつながります。
長く流れる本文は後から修正する
なかば常識とされていますが、知らない人もいるようです。 テキストメインの書籍など、長い文章が流れているものは、文章の最後から上に遡るようにして修正していきます。
文頭から修正していくと、その都度字切り箇所が変更になってしまい、校正を見ながら赤字箇所を探すのに手間がかかってしまいます。後から前に向かって修正していけば、赤字箇所が探し出しやすく、効率良く修正できます。
直す前にスタイルシートを確認しよう
文字ではなく、フォントやサイズ、色などを変更する場合、部分的に修正せずに、必ず修 正する前にスタイルシートを確認しよう。場合によってはスタイルシートの変更だけですみ、再々修正が入った場合を考えて、スタイルリンクを切らさないようにすべきです。
検索機能を活用する
同じ修正を沢山しなければならない場合があります。検索-置換機能を活用することで、 簡単、正確に修正することができます。
InDesignの検索ウインドウを見ると、さまざまな項目が検索できるのがわかります。 修正時だけでなく、製作する時にも便利な機能なので、それぞれ理解しておくといいでしょう。
❶テキスト
一般的な、検索-置換機能です。InDesign以外のアプリでも似た機能はありますので、 使ったことがある人は多いと思います。
特定の文字列を検索でき、置換えができます。 また、段落スタイルや文字スタイルなどをはじめとした、文字の装飾条件を組み合わせて、書体や文字サイズなどの条件を加えて検索-置換することができます。
画像(アンカーボックス)とも置換えできる
文字列を画像と置換することもできます。字形がなく、作字した画像に差し換えたり、文字列をロゴマークと変換する、などの使い方が可能です。
❷正規表現
文字列の検索(置換)の一種です。個別の文字列ではなく、「条件」を設定して、条件にあてはまる文字列を検索(置換)することができます。
例) ・ひらがなだけ書体をかえる。
・本文中のアルファベットをすべてイタリックにするetc.……
決まった文字列を検索するテキスト検索とは違い、「ひらがな」「半角カタカナ」等、条件を検索をするのが正規表現です。
正規表現を使うと、手作業で行うよりも効率よく、間違いのない作業ができます。
少し難しいですが、ケースによっては効率良く作業ができます。 様々なケースが想定されますので、ここでは細かく説明しませんが、研究しておくといいでしょう。
例)文章中のひらがなだけ色を変えたい。
正規表現に関しては、それだけで本が一冊書けるくらいの奥深さがあります。 完璧に使いこなすのは難しいですが、条件によっては、役立つ時がありますので、正規表現とはどんなことができるのか、知識として覚えておくべきでしょう。
❸字形
InDesignではOpenTypeフォントを使うことで、漢字の異体字を扱うことができます。
例) 高→髙 渡辺→渡邊 崎→﨑など
通常異体字を使用したい時は、字形パレットやコンテクストメニューから変更できます。
異体字入力の基本(手作業)
数箇所だけであれば、手作業で修正可能ですが、何箇所も修正しなければならない場合、 異体字も検索>置換したほうが、直し漏れがなくなり、間違いがなさそうです。
ただし、 異体字に置換える場合は、通常の文字検索ではうまくいきません。検索機能の「字形」タブを使用して検索-置換できます。
検索機能をつかった一括変換の手順
4)オブジェクト
文字だけでなくボックスなどのオブジェクトも検索-置換できます。 オブジェクトスタイル、色、サイズ、線幅、ドロップシャドウなどさまざまな設定から検索、置換できます。
例)「画像ボックス」に全て「M100 0.3ミリケイ」と「ドロップシャドウ」「角をR=3で丸める」
5)文字種変換
半角数字←→全角数字
半角カナ←→全角カナなど、
文字の種類を一括変換することができます。原稿整理されていない場合などに役立ちます。
検索機能の注意点
検索後、一括置換機能を使えば即座に変更できますが、検索の内容によっては不都合が起きる場合もありますので、一括置換えではなく「置換後検索」などの機能を使って確認しながら差し換えていくことも必要です。
良く使う検索条件は保存しておく
良く使う検索条件は保存しておくと便利です。その都度の入力を省くことができます。