表作成を研究しよう(2/3)

表作成にも新機能を活用しよう。

表作成(3/6)ライブペイント

ライブペイント自体はそう新しい機能ではないのですが意外に活用されていません。表作成をする時にも便利に使えます。

長方形グリッドツールで枠作成

長方形グリッドツールを使用した作成方法はIllustrator編「表組み」で解説しています。
また、ライブペイントについての詳しい説明はIllustrator編「新機能編」で解説しています。
ここでは表組みをライブペイントを使用して作成してみましょう。

●作例

Illustrator編「表組み」STEP01でまずは作り方を復習しておきましょう。
基本編では、長方形グリッドで線を作成したあと、罫線と塗りのオブジェクトを分けたものを重ね合わせて作成していました。 

ライブペイント

今回は、枠組みができたところから、背景色をつける作業から続けます。
ライブペイント機能を使って着色していきます。

1)まず表全体を選択しておき、ライブペイントツールにします。

2)着色したいセルをクリックすると罫線で区切られた部分を塗りつぶしできます。 

3)罫線もそのまま塗り分けられます、「ライブペイント選択ツール」を使用して線の色、幅など自由に変えられます。 

ライブペイントは、旧来のIllustratorの常識に反している部分が多いので、ベテランの方ほど、馴染がないかもしれませんが、ぜひ覚えておきたい機能です。新常識といえるでしょう。 

3)ライブペイントで表作成するメリット

ライブペイントを使うと、塗り用の長方形を別に作成する必要がないなど、製作面でのメリットも大きいですが、表組みを例にあげると、セルサイズが変わったり、行や列が減ったときに変更対応がしやすいところが大きなメリットです。

●セルサイズを変更

●セルを削除 

●セルを追加する場合 

長所:
塗り用オブジェクトを重ねたり、複雑な重ね合わせを気にしなくていい。変更時に塗りも追従するため、変更に強い。

短所:
数値でのコントロールができないので、修正時はやや工夫が必要。 

表作成(4/6)段組設定

(※cc2019からは「グリッドに分割」)

段組設定(現在は「グリッド分割」)の機能は昔から備わっている機能で、活用されている方も多いかと思います。構造的にはパスではなく長方形を分割するスタイルなので、デザイン的な制約がありますが、この項では逆にその性質を生かした表を作成してみたいと思います。

●作例

1)テキストから準備

他のツールを使用した場合と同じように、段組設定で「枠」を作成して、テキストを重ねて作成するやり方がありますが、今回は「同時進行」で作成してみたいと思います。

●下準備

作例のような表(カレンダー)を作成する時にはまず、セルの区切りごとに改行を入れたテキストを用意します。

2)枠とテキストは同時進行

今回は枠をそのままテキストボックスとして使用していきます。

1)ベースになる長方形をかきます。(あとで消えるので塗りや線の設定は自由)

2)オブジェクトメニュー>パス>段組設定(グリッドに分割)

3)書式メニュー>スレッドテキストオプション>作成

4)左上のセルにテキストをすべてペーストすると、テキストが流れこみます。

5)書体、装飾をしたら完成。

長所:
テキストと枠が同時に作業できて効率がいい。工夫すればデザインの幅は広い。 スレッドテキストで作成するので、文字の配置をコントロールしやすく、バラけたりする心配が少ない。

短所: 操作に少し慣れが必要。テキストデータに事前準備が必要。

 

表作成(5/6)文字を正確に配置するには

Illustratorではスレッドテキストで作成しない限りは、枠組みとテキストは別々にを作成したあとに重ねて表作成します。ここでは文字の配置について考えていきます。

●作例

1)整列パレットで揃えてみる

上のような表組みにテキストを重ねる場合、マウスでドラッグして見当で文字を合わせても構いませんが、見当合わせがなかなか決まらない場合があります。

また、複数行をまとめて処理したい場合など、見当合わせだと意外に位置決めが難しい時があります。

アイデアとしては、整列パレットを使うことが考えられますが……。

ところが……実際にやってみると、スペースに対して文字が少し上がって見えます。

2)オブジェクトのアウトライン

上記の理由でセンター揃えにしても揃わないとなると。文字をアウトライン化してしまえばいいのではないかと考えます。

確かに文字をアウトライン化するときちんと揃います。 でも、文字を完全にアウトライン化してしまうと、文字の修正が入った時にやっかいですよね。

そこで、アピアランスを利用します。
アピアランスパレットの「fx」メニュー>パス>オブジェクトのアウトラインを選びます。

※アピアランスを使ってオブジェクトのアウトラインを設定しても、テキストは編集可能です。

3)プレビュー境界を使用

「オブジェクトのアウトライン化」だけでは、まだ整列パレット通りに揃わない場合があります。
整列パレットのサブメニューから「プレビュー境界を使用」にチェックが入っているか確認してください。今度は正確に中央に揃えることができます。アピアランスと必ずセットで覚えておきましょう。


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