InDesignの文字組み(2/3):スタイルシート(段落スタイル・文字スタイル)

InDesignのスタイルシートを使ってみよう!

スタイルシートとは?

「スタイルシート」とは、見出しや本文などよく使う書式(フォントの種類、大きさ、行送り、段落設定など)を登録する機能です。

スタイルシートを適切に設定すれば、ワンクリックでテキストに同じ書式にすることができます。
書式を変更する必要が生じた場合でも、いちいちすべての文字を直接編集しなくても、スタイルシートを編集すれば同じスタイルが適用されたすべての箇所が一気に変更されます。
文章の多い業務を行う場合、作業効率がアップします。

WEB制作で用いられるCSS(カスケーディング・スタイルシート)も、基本的には同じ概念です。今後WEB制作も覚えたい!という方は要チェックです。

 

「段落スタイル」と「文字スタイル」

「段落」とは?

改行から改行(returnからreturn)に挟まれた1ブロックを1段落と呼びます。内容に関係なく、1行でも数百行あったとしても、改行が入るまでが一段落です。

 
 
段落単位で文字に関する設定を保存しておけるのが、「段落スタイルシート」です
 
 

「文字」とは?

「段落スタイル」を使うと、段落全体の書式を指定できますが、段落の中の一部の文字だけ書式を変更することはできません。「文字スタイル」を使えば、文字単位でスタイルをコントロールできます。「文字パレット」で設定できる内容が記憶され、いつでも同じスタイルを適用したり、変更したりできます。


スタイルシートが便利なわけ(作成に強い)

Illustratorはどちらかといえば単ページの制作物が多く、InDesignは複数ページにまたがる制作物におもに使われます。複数ページにわたるということは、それだけ扱うテキストの数も多くなります。

上記のように、数十ページにわたって、何十か所、小見出しや強調箇所などがあった場合、その都度、書体、サイズ、文字色などの変更を変えていくことは現実的ではないですよね。

最初にスタイルシートを設定しておけば、いちいち変更しなくても、ワンクリックで設定完了です。

スタイルシートが便利なわけ(変更に強い)

制作進行中に著者やクライアントから変更の指示があった場合。スタイルシートで設定しておけば、もとの設定を変更するだけで大量ページの変更に対応できます。

 

Method 01「段落スタイル」の登録方法

方法はいくつかありますが、業務で最も使う頻度が多いと思われるやり方をご説明します。文字をある程度流し込んで見て、フォントの種類やフォントサイズ、行送りなどを調整してゆくことが多いと思います。設定が終わって「よし、本文組はこれで決まり!」と思ったところでその書式をスタイルシートに登録できるわけです。

 

「文字パレット」と「段落パレット」を使ってフォント、文字サイズ、行送りなどを設定します。

 

文字・段落の書式を設定しているスクリーンショット

 

「段落スタイル」パレットの「新規スタイルを作成」をクリックします。「段落スタイル」パレットの「新規スタイルを作成」をクリックしているスクリーンショット

 

「段落スタイル1」というスタイルが作成されます。「段落スタイル1」というスタイルが作成されたスクリーンショット

 

「段落スタイル1」をダブルクリックすると、「段落スタイルオプション」が表示され、各種設定を確認・変更できます。ここではスタイル名を「本文組み」に変更しました。

「段落スタイル1」というスタイルが作成されたスクリーンショット

 

「段落スタイルオプション」を詳しく見ていくと、「文字パレット」で設定した項目だけでなく、「段落スタイル」で設定した項目も保存されていることを確認できます。

 「段落スタイルオプション」が表示されたスクリーンショット

 

これで「本文組み」の段落スタイルが登録されました。「本文組み」スタイルを素早く他のテキストに適用してみましょう。「標準段落スタイル」の書式に設定されている文字列を選択します。
「段落スタイル」を適用したいテキストが選択されたスクリーンショット

 

「段落スタイル」パレットの「本文組み」をクリックします。「段落スタイル」で適用させたい段落スタイル名をクリックしたスクリーンショット

 

段落全体がすぐに「本文組み」スタイルの書式に変更されます! 「段落スタイル」が適用されたスクリーンショット

 

Method 02「文字スタイル」の登録方法

 

書式を設定したいテキストを選択します。
InDesignでテキストを選択した状態のスクリーンショット

 

「文字パレット」を使ってフォント、文字サイズなど設定します。

フォントの書式を変更しているスクリーンショット

 

文字の色も変えてみましょう。文字スタイルの文字カラーを変更しているスクリーンショット

 

テキストを選択した状態で、「文字スタイル」パレットの「新規スタイルを作成」をクリックします。すると、「文字スタイル1」というスタイルが作成されます。文字スタイルを新規作成しているスクリーンショット

 

「文字スタイル1」をダブルクリックすると、「段落スタイルオプション」が表示され、各種設定を確認・変更できます。ここではスタイル名を「本文強調」に変更しました。「文字スタイルオプション」の画面を見ると、文字パレットで先ほど指定した書式が設定されていることがわかりますね。「文字スタイルオプション」のスクリーンショット

 

では、同様の書式を他のテキストに適用してみましょう。適用させたいテキストを選択します。

適用させたいテキストを選択しているスクリーンショット

 

テキストを選択した状態で、「文字スタイル」パレットの「本文強調」をクリックします。

適用させたい文字スタイルをクリックしているスクリーンショット

 

「本文強調」のスタイルがテキストに適用されました。

「本文強調」のスタイルがテキストに適用されたスクリーンショット

 

 

Method 03スタイルの変更方法

設定したスタイルを変更する必要が生じることがありますね。「やっぱり赤い文字ではなく、青い文字に変更したい!」という場合でも、スタイルシートを使えば簡単にすべてを変更できます。一つ一つの文字を選んで変更する必要はありません!

 

「文字スタイルパレット」で、書式を変更したいスタイル名をクリックします。
※この場合、「本文強調」をダブルクリックします。InDesignで「文字スタイルオプション」を表示させた状態のスクリーンショット

 

「文字スタイルオプション」のウィンドウが表示されます。現時点で文字カラーの塗りが「CMYKレッド」に設定されていることがわかります。左側の設定項目から「文字カラー」をクリックすると、文字カラーを選択できるようになります。InDesignで「文字スタイルオプション」の左カラムから「文字カラー」を選択したスクリーンショット

 

スウォッチに登録されているカラー一覧が表示されますので、そこから今回は「CMYK ブルー」を選択しましょう。InDesignで「文字カラー」の「CMYKカラー」を選択したスクリーンショット

 

すると、「本文強調」の文字スタイルが設定された文字列すべての色が、一度に「CMYKレッド」から「CMYK ブルー」に変更されました!

InDesignで「本文強調」の文字スタイルが適用された文字列すべてに、文字カラーの変更が一気に反映されたスクリーンショット

 

オーバーライドに注意!

下図のように、文字列を選択している状態で、スタイルシート名の横に「+」マークが付くことがあります。これは、スタイルシートを用いずに直接変更が加えられたことを意味しています。(InDesignでは「オーバーライド」と呼びます。)この場合、直接指定された属性は維持されています。

"段落スタイルで設定した書式になっていません!オーバーライドを示す「+」がスタイル名の右に表示されています。

 

もし強制的にスタイルシートで定義されたスタイルを適用したい場合、Option(windowsではAlt)キーを押しながらクリックします。

Option(WindowsではAlt)を押しながらスタイル名をクリック!オーバーライドマークが消え、スタイルが強制的に適用されます。

 

スタイルシートで注意すべきこと。

文章を選択してスタイルシートを作成した場合、設定を読み取ったオリジナルのテキストにはスタイルシートは適用されません。のちのち変更が加わることも考えて、オリジナルのテキストにもスタイルシートを「上書き」しておいたほうがいいでしょう。

 

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