画像処理(4/4)スマートオブジェクト

スマートオブジェクトを活用しよう

Photoshopには、現在スマートオブジェクトという機能が搭載されています。
搭載されてすでに20年以上経ちますが、あまり理解されず、活用していない人もいるようです。特に古くからのユーザーほど知らずに作業していることが多いようです。スマートオブジェクトを活用して効率アップをはかってみましょう。

スマートオブジェクトとは

Photoshopの画像はドットが集まったピクセル画像です。(くわしい説明=基礎知識編)ピクセル画像の弱点は、変形に弱いという点です。
Illustratorのベクター画像と違い、Photoshop上で画像を拡大したり、回転させたりと加工することで、オリジナルの画像が、変形、劣化してしまいます。

スマートオブジェクト機能を使うと、この弱点をカバーすることができます。どれだけ変形を繰り返しても画質が落ちないので、何度もデザインを変更したり、データを流用して活用したい時などに有効な機能といえます。

簡単な実験をしてみましょう。


通常のピクセルレイヤーの場合

新規画像を作成して、新規レイヤーに「1行選択ツール」を使って1ピクセル幅のラインを作ります(塗りつぶしで、適当な色にしておきます)

⚫︎イメージ>画像の回転>角度入力 を使い、適当な角度に回転させます

この段階ですでに線は滲んでしまっています。これはピクセル画像がドットなので性質上仕方のないことです。


スマートオブジェクトの場合

⚫︎今度は、作成した線(レイヤー)を選択して、レイヤーパレットのメニューから「スマートオブジェクトに変換」を選びます。レイヤーパレットにスマートオブジェクトののアイコンが付き、変更されたことがわかります。

⚫︎同様に先程と同じ角度を入れて回転させます。見た目上はやはり滲みが見えますが、これはピクセル画像の性質上、そう見えています。

●編集メニュー>変形>回転 を使い元に戻します。すると、スマートオブジェクトの場合、元に戻すと、最初の綺麗な線に戻ります。回転、変形させても画像が劣化していないことがわかります。

この実験でわかるように、変形をくり返しても、画質が劣化しないのがスマートオブジェクトの特徴なのです。

※ただし、元々の画像よりも大きく拡大できるわけではありません。あくまでもピクセル画像なので、解像度の範囲での拡大、縮小が可能になります。

スマートオブジェクトを使うメリット

⚫︎画像の変形に強い
画像が劣化しないので、Photoshop上でいろいろデザインを変更したり、吟味したりするときに便利。

⚫︎リンク機能がある
スマートオブジェクトを複製した場合、リンクされるので、1つを変更したときにまとめて変更される。アイコンやロゴなどに活用できる。

レイヤーなどを使用してロゴを作成(もしくはIllustratorで作成したものを読み込んでも可)ロゴのレイヤーをまとめて選択したら、「スマートオブジェクトに変換」でスマートオブジェクトにしておく。グループ化してスマートオブジェクトにしておくと管理がしやすい。


⚫︎
スマートフィルターが使える
フィルターは通常再編集ができませんが、スマートオブジェクトに、ぼかしなどのフィルターをかけると、スマートフィルターとして再編集が可能になります。

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