新機能を活用しよう

ベテランほど損している?

CS~CC以降にIllustratorに追加された機能がいくつかあります。
やや過剰かなとも思えるような装備もありますが、覚えておくことで、作業内容によっては効率良く作業できる場合もあります。

ここでは特にベテランの方を対象に、CS6以前と比べて、CCになって変更された点、便利になった点を中心に見ていきます。

セグメントのリシェイプ

前節で説明した、「アンカーポイントツール」以前は「アンカーポイントの切り替えツール」と呼んでいました。名前の通り、アンカーポイントとハンドルを操作するためのツールでしたが、 現在はパスそのものを掴んで操作できるようになりました。

ハンドルで操作しなくても曲線の修正ができるので、慣れればスムーズな操作がしやすい等のメリットがあります。

ライブコーナー

CCからライブコーナーが搭載され角丸長方形の扱いが変わりました。 CS6以前では、角丸を維持するには角丸長方形ツールで作成するか、 アピアランスを利用していました。

このやり方は現在も可能ですが、CCからはライブコーナー機能が追加され、角丸の作成が簡単にできるようになりました。また、アピアランスを利用しなくても角丸は維持されます。


連結ツール

パスとパスを連結させたいとき、CS6以前では、ペンツールでアンカーポイント同士をつなぐか、「オブジェクトメニュー」>「パス」>「連結」がありました。

連結ツールを使えばパスの連結が簡単に

連結ツールを使うメリットとしては、直線でオープンパス同士をつなぐのではなく、不足している部分を補って連結する性質があります。また、曲線部分は曲線で補完してくれます。 また、連結後の不要部分は自動的に削除されます。

操作自体は簡単ですが、それぞれのオープンパスが交差、または延長線上で交差しているものでないと連結しません。

ケース1 交差したパスの不要部分を削除して連結。

ケース2 パスの不足部分を補って連結

shaperツール

イラストを作成したり、感覚的に作業する場合などに便利なツールです。従来のツールや機能をしっかり使いこなしている方には不要にも思えますが、タブレット等を使用して感覚的な作業をしたい場合は、ツールをその都度持ち変える必要がなく便利です。

機能的には大きく2つにわかれます。

1)フリーハンドで基本的な図形が書ける。

ツールを持ち替えずに、楕円、三角、正方形、長方形、六角形などフリーハンドで描くだけで作成できます。

2)交差した図形を簡単に、パスファインダーのように、合体、中マド、型抜き(したように)できる。

Shaperツールを使うと、従来ではパスファインダーパレットを使用して行ったような、合体や中マド、型抜きを行うことができます。

Shaperツールは、図形の作成から変形まで一つのツールで行えるうえ、絵を描くような感覚で図形が描けたり、こするようなジェスチャーで作業できるので、ペンタブレットで作業したりする方には有効なツールかと思います。

注意が必要なのが、shaperツールを使用すると、パスファインダーを使用して編集したような効果が得られますが、パスファインダーで編集したものと比較すると、構造的には実は違っています。

中マドを例にしてみてみましょう。

シェイプ形成ツール

Shaperツールと似た名称、機能的にもやや似ていてややこしいですが、こちらはパスファインダーの補助的な機能と考えるといいと思います。

ケースによっては、従来だったらパスファインダーパレットを使用して、何工程もの作業で作成しなければならないものが簡単にできたりします。作成するものによっては、必ず覚えておきたいツールです。

シェイプ形成ツールは、shaperツールとは違い、結果はパスファインダーで合体や中マドを行ったものと同じになります。理解しやすいのでパスファインダーをよく使用する人は覚えておくと便利なツールです。




ライブペイント

CS5 から追加されたこの機能は、従来のillustratorの常識をくつがえす機能だったため、いまだに使用する人が少なく、ベテランの人ほど馴染があまりないのではないかと思います。しかし、覚えておくと便利な場面もあります。

illustratorの基本を確認

アピアランスを使わない場合、illustratorでは原則的に一つの図形に対して、塗りと線が一つづつということになります。

下のようなイラストを描く場合、分解するとこのようになります(いくつか分け方はありますが、原則的な構造は、「貼り絵」の構造です)

では、ライブペイントを使用して、同じイラストを作成してみましょう。

1.ペンツール等を使用して線画を描いていきます。

・線はざっくりとはみ出してもかまいません
・塗りはクローズドパスでなくてもOK
※とはいえ、できるだけパスの端もきれいに揃えたほうが手数は減りますが、今回は説明のため、あえてラフに描いていきます。

2.全体を選択してライブペイントツールを選択します。

3.あとはバケツツールの要領で塗りつぶしていきます。

4.次に余分な線を処理するために、「ライブペイント選択ツール」を選びます。
5.「ライブペイント選択ツール」で余分なパスを選んで、線の色を「なし」 にすると見た目が整います。

6.シャドウ部分を追加したいのでアレンジします。

7.ライブペイントで塗るメリットは、5のように、あとから範囲を区切って塗りを追加できたり、あとからパス一本で編集が可能な点です。



線幅ツール

CS5から線幅ツールが搭載されています。ブラシ等の機能を使わずに一本のパスに強弱をつけることができます。

 

クリエイティブ専門人材派遣会社エキスパートスタッフは、お仕事紹介だけでなく登録クリエイターのDTPレベルアップサポートを行っています。 最新DTPアプリケーションが使える無料の自習室各種セミナーで皆さんのスキルアップをサポートします! 最新DTPアプリケーションが使える無料の自習室各種セミナーで皆さんのスキルアップをサポートします!
  • line
  • hatena
  • Pocket

関連記事